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石油が高騰する訳

 『石油は枯渇する』。良くメディアで見かけるフレーズだ。

 石油業界の調査では、1兆ガロン採掘された時に、2兆ガロンが埋蔵量として、楽観論と悲観論が交差し論議されていた。ところが2000年に埋蔵量が、改定され3兆ガロンに変更された。ここまでは、従来工法によるところである。更に、採掘の為の新工法も開発され、埋蔵量自体は、6兆ガロンに近い。つまり、当面は枯渇の必要はないということだ。

 中国の需要による影響については、石油輸出国でOPEC加入国分の採掘可能量を考えても、2030年になっても採掘可能な状況である。また、新工法による採掘可能率を37%まで改善すると、当分は問題ない。

 採掘コストは、採算性の変化に目を向けてみると、中東エリアで5$/ガロンであり、石油会社のマージンを含めて、OPECでコントロールできる価格は20$/ガロン程度である。現在の120$/ガロンであることを考えると明らかに、コントロールできうる範囲を遥かに超えている。

 ではなぜ、このようなことが起きているのか。間違えなくいえることは、アメリカの影響を大きく受けていることは事実である。考慮するには、アメリカの事情を調べることが重要なことである。現状のアメリカの石油産業の主な状況は次の通りである。

・原油備蓄量は、3.5億ガロンで、1980年以降殆ど変わらない。

・製油所のキャパシティーに対し、稼働率は90%程度で、飽和状態が続いている。

・末端のガソリンの保有量は、年々減少してきており、以前は、2.5億ガロンあったことに対し、1.5億ガロンを切る勢いである。

 上記のことを考えると、製油所のキャパシティーが飽和しており、末端の備蓄量の減少から、品薄基調になっていることが分かる。つまり、ガソリンの備蓄弾性力が低下しているということである。ここで、台風の襲撃、湾岸危機、天然ガス等の高騰などの外乱要素が入ると、先物市場は敏感に反応し、値を簡単に値を上げる構図である。

 石油産油国では、自分たちではコントロールできないところで、石油の価格が上がる構図になっており、うれしい悲鳴である。こまっている訳ではないので、積極的に安値に動くように働きかけることはなく、アメリカ政府も資本主義の原則における自然な現象なので、介入はしない状況であり、当面はこの状況が続くことが予想される。

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